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睡眠時無呼吸症候群(SAS)が心臓病を引き起こす
コラム
2024.5.12

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が心臓病を引き起こす

睡眠時無呼吸症候群という名称は聞いたことがあると思います。最近ではマスメディアと取り上げられることも多い病気です。肥満に伴う病気のイメージが強いですが、日本人は骨格として顎が小さく睡眠時無呼吸症候群(SAS)の有病率が高いことが知られています。ひと昔前は、SASは「いびきがうるさい」「日中に眠くなる」だけのものだと考えられていました。しかし近年の研究で、多くの心臓病を引き起こすことが分かってきました。

心臓病の中でもまず心不全と強く関連します。寝ている間に気道が閉塞してしまうSASは、空気を吸おうと過剰に胸郭を膨らませようとします。気道が塞がっているため空気は入ってきませんが、胸郭内が陰圧になるため、下半身からの血液が過剰に心臓に戻ります。これを毎晩繰り返していることで心臓への負担が強くなり心不全を引き起こすと考えられています。もちろん、SASは血圧を上昇させますので、その点からも心不全のリスクになります。

次に心房細動などの不整脈を引き起こすことが分かっています。SASは寝ている間に低酸素を引き越します。低酸素は生物にとって死活問題であるため、カテコラミンを増加させ心臓の動きを活発にさせようとします。交感神経も活性化させ、不整脈が出やすい状態になります。特に心房細動は脳梗塞を引き起こす不整脈であり、半身麻痺など重篤な後遺症を残すこともあります。

「たかが無呼吸」と思っていると、大きな病気を患ってしまうことがありますので注意が必要です。以下の症状がある方は、一度、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査を受けることをお勧めします。

・いびきをかく
・肥満傾向である
・高血圧がある
・糖尿病がある
・日中の眠気がある
・朝の頭痛がある
・夜にトイレにいく
・睡眠中に息をしていないと言われた

岡田内科では、自宅で簡単に検査できる機器がありますので、お気軽にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群リーフレット

大林賢史

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